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サントリー美術館で「水 神秘のかたち」展 国宝「善女龍王像」など展示

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 東京ミッドタウンのサントリー美術館(港区赤坂9)で12月16日から、水に対する信仰をテーマにした展覧会「水 神秘のかたち」が開催される。

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 同展は、すでに弥生時代には始まっていたと考えられる日本人の水に対する信仰に根差した造形物を、国宝「善女龍王像(ぜんにょりゅうおうぞう)」などの、彫刻、絵画、工芸により展観するもの。

 「善女龍王像」は平安時代の絵仏師・定智筆の作品で、龍神の姿を描いたもの。龍神は雨乞いの儀式とも深く関わるもので、五穀豊穣(ほうじょう)や国家護持、さらに海難からの救済を願う対象となっていた。同展では6章構成の展示の第3章を「水に祈りて」と題し、同作品のほか重要文化財の「春日龍珠箱」や「孔雀(くじゃく)経曼荼羅(まんだら)」などを展示。人々が水に祈る姿を紹介する。

 第1章「水の力」では、重要文化財の「日月山水図屏風(びょうぶ)」や館外初公開となるパラミタミュージアム所蔵の「十一面観音立像」など、水を介することによって像が霊力を増すなど、水の神秘的な力を表す作品を展示する。第2章「水の神仏」では弁才天や住吉神など水の神仏にまつわる造形作品を、第4章「水の理想郷」では龍宮城や蓬莱山など人々が夢見た水に囲まれた理想郷の姿を表現した作品を紹介する。

 第5章「水と吉祥」では吉祥(おめでたいこと)の意味合いを持つ水の造形を、動植物を題材とした吉祥文様の一つである菊水文様などを通して示し、第6章「水の聖地」では水の豊かな土地や祇園祭のような水にまつわる祭礼を描いた絵画作品などを紹介する。

 期間中、講演会やギャラリートークなどのトークイベントの他、小中学生を対象にしたワークショップも開催。来年1月5日には水の流れる形を紙に写し取る「墨流し」の体験ができるワークショップを行う。参加無料。事前申込制で、応募締め切りは今月15日。

 開催時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。火曜、12月30日~来年1月1日休館。観覧料は一般=1,300円など。来年2月7日まで(会期中展示替えあり)。

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