見る・遊ぶ

乃木坂で建築家・中村好文さん個展-理想の「小屋」原寸大で展示も

中庭に設置される「一人暮らし用」の小屋

中庭に設置される「一人暮らし用」の小屋

  • 0

  •  

 乃木坂の建築・デザイン専門ギャラリー「TOTOギャラリー・間」(港区青山1、TEL 03-3402-1010)で4月17日、建築家・中村好文さんの個展「小屋においでよ!」が始まる。

中庭に設置される「一人暮らし用」小屋の内部

[広告]

 30年余り首尾一貫して、クライアントの暮らしに寄り添い、「普段着のように居心地のいい」住宅を作り続けてきた中村さん。建物に新奇性や作品性を追い求めるのではなく、主役は「そこに住む人たちであり、そこで営まれる暮らし」と考える設計思想は、初めて家を建てる若い夫婦から、一人暮らしの老婦人、サラリーマン、芸術家まで、幅広いジャンルの人々に共感され信頼を得ている。

 同展では、中村さんが「住宅の原型」として注目し、子どものころから魅せられてきた「小屋」を通して「住宅とは何か?」を問い直す。会場は大きく3つのパートに分け、第1会場は、ブース全体が観光地にあるような「顔ハメ看板」となり、中世日本の隠居の世界に来館者が同化できるユーモアたっぷりの「鴨長明の方丈」や、「ル・コルビュジエの休憩小屋」など、中村さんが憧れ影響を受けてきた「古今東西の7つの小屋」を紹介。

 第2会場では、中村さんがこれまでに設計してきた数ある住宅の中でも、特に「小屋的な」住宅をよりすぐって紹介。中庭には、原寸大の「一人暮らし用」の小屋を展示する。間口3メートル、奥行き4メートルの小屋の内部にはトイレやキッチン(しちりんを使用)を設置。屋根の上には発電のためのソーラーパネル、給水のための高架水槽が備わり、エネルギー自給自足を目指す。「この小屋は単なる展示物ではなく、実際に使うことを前提としている。来館者は実際にこの小屋の中に入り、中村さんが理想とする『小屋』というものを実体験できる」と話す広報担当の桑原さん。

 中村さんは、「ある時期から住宅の原型が『小屋』にあるような気がし」、南仏のル・コルビュジエの休暇小屋や、ロンドン郊外のバーナード・ショーの小屋、岩手県花巻の高村光太郎の小屋など、世界各地を訪ね歩いてきたという。8年ほど前からは、自給自足を目指す自身の小屋「Lemn Hut」(長野県)で、質素な小屋暮らしを楽しんでいる。

 開催時間は11時~18時(金曜は19時まで)。日曜・月曜・祝日休館。入場無料。6月22日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース