インド現代アートが六本木に-森美術館で大型のインド美術展

写真=展示風景。手前はバールティ・ケールさんの象をモチーフにした立体作品「その皮膚は己の言語ではない言葉を語る」

写真=展示風景。手前はバールティ・ケールさんの象をモチーフにした立体作品「その皮膚は己の言語ではない言葉を語る」

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 港区・六本木の森美術館(六本木6、TEL 03-5777-8600)は11月22日より、インドの現代アートを特集した美術展「チャロー!インディア:インド美術の新時代」を開催している。

バイク「ロイヤル・エンフィールド」を使った作品「弾丸」

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 同展は、今年10月で開館5周年を迎えた同館の記念展。世界的にも珍しいインドの現代美術に特化した美術展となる。デリー、ムンバイ、バンガロール、ヴァドーダラ、マイソールなどのインドの都市で活動する27組のアーティストが参加する。

 精子の形状をした「ビンディー」(ヒンズー教徒の既婚女性が額に施す装飾物)で、立体の「象」の表面を覆った作品「その皮膚は己の言語ではない言葉を語る」は、バールティ・ケールさんが手がけた。作品を通して、インド社会における女性の役割に言及する。

 骨をモチーフにインドの乗り物「オートリキシャー」に仕立てた「オートザウルス・トリポウス」はジティッシュ・カッラトさんの作品。ヒンズー原理主義者によるテロ事件から着想したという。 

 デリーで活動するスボード・グプタさんは、同国で生産される「ロイヤル・エンフィールド」のバイクを、真ちゅうでかたどった作品「Bullet(弾丸)」を展示。もとはイギリスで製造され、後に同国の国産品となったバイクを象徴的に展示することで、両国の関係と時代の流れを示唆する。

 会場には絵画・立体に加え、インスタレーションやメディア・アートなど多様な技法を用いた約100点の作品を展示する。このうち約4割が新作となる。

 21日に開催した記者発表会で南條史生館長は「作品の内容はカラフルで、今のインドの社会を反映した作品を選んだ」と説明。「今のインドの全体像を日本に紹介できれば」と話した。「チャロー!」はヒンズー語で「行こう!」の意味。展覧会が新しいインドへの入り口となることを目指す。

 開催時間は10時~22時(火曜は17時まで、12月23日・12月30日は22時まで。入館は閉館時間の30分前まで)。会期中無休。入館料は一般1,500円ほか。2009年3月15日まで。同展はオーストリア「エッスル美術館」に巡回する。

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