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広尾の老舗輸入雑貨セレクトショップ「F.O.B COOP」、35年の歴史に幕

オーナーの益永みつ枝さん

オーナーの益永みつ枝さん

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 広尾で35年の歴史を刻んできた輸入雑貨のセレクトショップ「F.O.B COOP」(港区南麻布5、TEL 03-3446-5332)が10月25日で閉店する。

白い窓枠とストライプの日除けがトレードマークの「F.O.B COOP」広尾本店

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 フランスを中心とするヨーロッパ各地で、良質なセンスと機能美にこだわり直接買い付けた生活雑貨やオリジナル商品を販売する同店。オーナーの益永みつ枝さんが犬の散歩途中に偶然見つけたという同場所で、自身のアトリエを兼ねたガラスワークとレストランサプライ商品を中心としたショップとして、1981(昭和56)年に開店したのが始まり。

 商品は、益永さんが10年間の主婦生活で感じていた「自分の欲しいものがどこにもない!」という思いを軸に、欧米諸国で日常的に使われている「シンプルでシックなもの」、ブランドではなく、「心地の良いもの」「適正価格であること」にこだわり自らの足で探した。1983(昭和58)年、LAのカフェでフランス「DURALEX」社のグラスと出合ったことをきっかけに、商社を通さず自力で輸入・販売を開始。当時商社に輸入を打診し、「割れにくいグラスじゃ商売にならない」と断られたこともあるという。以降、もうけだけを考えるのではなく、生活者の視点から本当に必要なものを集め、現在の商品構成に至った。5年後にはカフェも併設した。「うちの商品は長く使えるから買い足す必要がないのよ。だから閉店と聞いて10年ぶりというお客さんが駆け付けてくれても、いまだにうちの商品を使ってくれている」と益永さん。

 「最近は似たような店もたくさんできた。簡単に『もの』が手に入るようになったし豊かな国になったはずだけど、ちょっとおかしい。疲れてしまった」と、震災後、自身の考え方も世の中の流れも変わり、「背負っていたものを軽くしたくなった」と閉店の理由を語る。現在営業している支店も順次閉店していくという。「また新たにやりたいことが湧いてきたらきっと何かを始めるんだと思う。それが『私』だから!」とも。

 現在35年間の感謝を込め、店内のほとんどの商品を割引価格で提供している。益永さんも毎日店に立つという。

 営業時間は12時~19時。

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