国立新美術館近くに事務所を構えるベンチャー企業「TIMERS inc.（タイマーズ）」（港区六本木7）が11月14日、ホームページ作成などの代わりに賄いを食べさせてくれる飲食店を募集する「まかないプロジェクト」の募集を始めた。

TIMERS inc.の村石健太郎さん、高橋才将さん、田和晃一郎さん

　博報堂出身の高橋才将社長ら3人が今年5月に創業した同社。カップル向けのスマートフォンアプリ「Pairy」の運営などの事業を手掛けている。同社COOの田和晃一郎さんは「六本木に事務所を構えていながら地域のコミュニティーに目を向けることがなかったので、何か接点を持つ方法を考えた時に、普段食べに行っている店にアイデアや技術を提供して代わりに仮の社員食堂として一定期間使わせてもらえないかというアイデアが出た」と企画のきっかけを説明する。

　具体的には、同社がホームページ制作（またはリニューアル）を行う代わりに、半年間基本的に毎日賄いを無償で提供してくれる六本木近辺の飲食店を募集するもの。

　田和さんは「物々交換だけを求めているわけではなく、ある種の実験であることを理解していただき、一緒に盛り上げていただける人たちを求めている」とも。高橋さんも「募集というのはあくまで告知であり、実際には相談しながらその飲食店を盛り上げるためにもいろいろなことを決めていきたい」と話す。

　高橋さんは「会社の理念として古くからあるものの価値を新しい時代に置き換えていくことを大事にしようというのがあり、その一つとして『物々交換』という慣習を現代にやってみたらどうなるかという実験でもある。『面白いな』と思ってくれる人が増え勝手に広まっていってくれれば」とも。

　飲食店の募集は12月10日まで。条件などの詳細はホームページで確認できる。