西麻布のイベントスペース「スーパー・デラックス」(港区西麻布3)で11月22日、労働問題に関するイベント「BREAD AND ROSES ~私たちにパンと誇りを!」が開催された。
同イベントは、労働問題の改善に取り組む労働組合「首都圏青年ユニオン」(豊島区)の書記長・河添誠さんらが、サラ金や日雇い派遣情報でない労働・生活情報の発信、残業代未払いや不当解雇などの相談を行う「反貧困たすけあいネットワーク」の発足記念イベントとして開催。オープニングに社会民主党の福島みずほさんや、経済アナリストの森永卓郎さんらが出席したほか、米軍のリクルート問題について取材を続けるジャーナリストの堤未果さん、作家の雨宮処凛さん、参議院議員の川田龍平さんらによるトークセッションが行われた。
入場料は、年収300万円未満の人=500円、年収600万円未満の人=1,000円、年収600万円以上の人=2,000円と年収に合わせて3種類に設定されており、約180人が来場した。
堤さんは、健康保険への加入や奨学金獲得などのメリットを提示して貧困層の若者に軍隊への入隊を促すなどアメリカの貧困と戦争のつながりについて語ったほか、日本でも地方の自衛隊員採用において、「職業訓練を受けられる」などの手法で若年層を取り込む動きがあると指摘した。
雨宮さんと川田さんをゲストに迎えたトークセッションでは、雨宮さんが「若者のホームレス」をテーマに、雑誌「BIG ISSUE」の30代・販売員にインタビューした際のエピソードを交え、正社員として働いていても、親のバックアップがない人などが、一度仕事や収入を失うと一気にホームレスに転落しているケースを挙げ、そういった事態をケアする仕組みがない日本の現状を指摘。川田さんは労働や医療、福祉問題を担う中枢である厚生労働について触れ、「厚生労働省の天下り体質を変え、私たちの味方になってもらい、貧しい人や障害を持つ人が当たり前に生きられる社会を作っていくには、どれだけの人間がこの問題に興味を持っているかということを議員にわからせることが大切。薬害エイズ問題の時も3,500人が厚生労働省前に集まったことが裁判所を動かしたように、数の力は大きい。ひとりひとりが動けば変わる」と語った。