国立新美術館(港区六本木7)で9月8日から、記念展「陰影礼讃-国立美術館コレクションによる」が始まる。
同展は、国立の運営・管理を行う独立行政法人国立美術館が発足してから今年で10年目を迎えるにあたり、同法人が運営する東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館の5館が協力して開催する。
テーマは、「影」と「陰」。日常的に目にしている「影」と、光がさえぎられた場所が薄暗く見える「陰」という自然現象の働きから2つの特質を踏まえた視覚芸術を考察し、「影」という普遍性であり、体系的に考察が難しい題材を丁寧にふわけし、「影」の諸相に光を当てた国立美術館のコレクション総数約3万3,300点にのぼる作品の中から厳選した100作家・170点の作品を展示する。
会場では、リベーラ、ロイスダールらによる西洋近世・近代の絵画、ホルツィウス、ピラネージらのルネサンスから近代までの西洋版画、岸田劉生らの近代日本の洋画、速水御舟、横山大観などの近代日本画、森山大道、篠山紀信などの写真作品、デュシャン、ウォーホルらによる20世紀から現代までの、時代や異なる地域、ジャンルが横断する多彩な作品を紹介する。
期間中、東京国立近代美術館の大谷省吾主任研究員による講演会(9月12日14時~15時)や、国立国際美術館の中西博之主任研究員による講演会(同19日14時~15時も予定。入場は無料だが同展の観覧券が必要。
開館時間は10時~18時(金曜は20時まで)。火曜休館。入場料は一般1,000円ほか。10月18日まで。