東京ミッドタウン(港区赤坂9)で6月22日、日本のグラフィック最前線を紹介する「日本のグラフィックデザイン2012」が始まった。企画・運営は日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)。
JAGDAが毎年発行しているデザイン年鑑「Graphic Design in Japan」2012年版」(1万5,750円)の発行を記念して開催される同展。同年鑑は、厳正な選考の末選ばれた約600点におよぶ作品群を、豊富な図版と各作品の制作目的と共に紹介したもの。今年は新たに各カテゴリー作品をまとめて出品できる「複合」部門を新設し、カテゴリーを横断したプロジェクトも掲載した。
同展では掲載作品の中から、身近な雑貨や書籍、商品パッケージ、シンボル・ロゴ、ポスター、ウェブサイト、映像、展覧会やショップの空間デザインなど、約300点を展示する。各カテゴリーの高得票作品に授与される「亀倉雄策賞」には、資生堂のポスターを手掛けた澁谷克彦さん、「JAGDA賞」には、服部一成さん、永井裕明さん、仲條正義さん、工藤“ワビ”良平さんと中西“サビ”一志さん、葛西薫さん、工藤青石さんが輝いた。
ファッションブランド「ルイ・ヴィトン」の企画展ツールで本の印刷を担当した川嶋印刷の岩渕久志さんは、「岩手に本社があるが、震災後、デザイナーの永井さんから突然依頼を受けた。このようなクオリティーの高い技術とデザインの本を手掛けるのは、生涯で最初で最後かもしれない。驚いたし大変だったが、被災地復興を願ってのルイ・ヴィトン社の計らいに感動した」とエピソードを語る。
期間中、「JAGDA賞」受賞者と「複合」部門の入賞者を迎え、各プロジェクトの制作背景に迫るトークイベントも予定する。7月3日(工藤青石さん、服部一成さん)、7月25日(居山幸二さん、永井裕明さん)、各回19時~20時30分。ウェブサイトから申し込む。
開催時間は11時~19時。入場無料。7月29日まで。