西麻布のホテル&レジデンス「六本木・ホテルS」(港区西麻布1、TEL 03-5771-2469)で現在、現代美術家・伊藤知宏さんの作品展「GIGAS+PARVA」が開催されている。
伊藤さんは1980(昭和55)年生まれ。武蔵野美術大学在学中の2002年から個展を行い、2004年の卒業とともに本格的に作家活動をスタートさせる。2006年と2008年には、世界中からアーティストが集うレジデンス専門のアート施設「ヴァーモントスタジオセンター」(米国)の奨学金を得て、ヴァーモント州とニューヨーク州で滞在制作と研修を行った。2012年にはセルビアで個展を開催。ポルトガルで開催された「Guimaraes2012(欧州芸術首都)」にも招待され、ヨーロッパにも活動の場を広げた。
今回の展示では、伊藤さんが自然農法で作られた野菜から自然や大地の味を感じ感動したことから作品を構想。花や野菜をモチーフにした大小さまざまな作品を展示する。伊藤さんは「採れたての野菜をかじると元気になる。野菜が数カ月の間をかけて育って、命を絶ってそれを僕が食すと考えると、元気になるのはとても貴重な気がした。今回は、日本とヨーロッパの花と野菜をモチーフにした作品を中心にした、大きな作品と小さな作品の作品展。タイトルのGigas+Parvaとは、ラテン語で『巨人(大きなもの)+小さなもの』の意味がある」と話す。
同展は、滞在型の宿泊やSOHO利用を提案する同ホテルが、アーティストに作品発表の機会を提供する「ARTIST RESIDENCE PROJECT」の一つとして企画したもの。これまで、書道家の川尾朋子さん、フォトグラファーの久保田育男さんなどを招いており、今回が9回目。現在、同ホテルに滞在中の伊藤さんは、1階にあるニシロクラボで公開制作を実施している(今月11日まで)。
エントランスロビー、ニシロクラボは観覧自由。レストラン「ココノマ シーズン ダイニング」内の作品観覧にはレストランの利用が必要。12日19時からは同ホテル 1階にあるワインダイニング「COCONOMA」でオープニングパーティーを開催する(参加費=1,500円)。展示は今月30日まで