日本建築学会(事務局=港区芝5)は4月11日、2007年日本建築学会賞の各賞を発表した。
「近年中に完成した学術・技術・芸術などの進歩に寄与する優れた業績(論文・作品・技術以外)」に贈られる「業績」部門では、六本木・鳥居坂の「国際文化会館」(六本木5)の保存再生が受賞した。
同館は、「日本と世界の人々の間の文化交流と知的協力を通じて国際相互理解の増進をはかること」を目的に設立され、1955年に竣工。建物は、建築家の前川國男氏、坂倉準三氏、吉村順三氏の共同設計。日本の代表的なモダニズム建築の1つとして知られる。2006年には「登録有形文化財」に登録されている。
今回の保存再生活動は、2005年から行われた改修工事に対するもので、日本建築学会は評価点として、「再生を通して会館の運営が可能な事業スキームを立案したこと」「モダニズム建築の保存・再生にあたり機能更新と空間意匠の継承とを両立させたこと」「都心部の高容積化(高層化)に対し、低層のモダニズム建築と庭園が民間の施主により再生・保存され、周辺地域の環境価値の向上に大きく貢献したこと」などを挙げている。(写真=国際文化会館)