六本木ヒルズ(港区六本木6)などで4月25日、オールナイトイベント「六本木アートナイト2015」が開催される。
Ingressイベントでは、六本木ヒルズから青または緑の光の柱が出現する
同25日から26日にかけ、100以上にのぼるプログラムを展開する同イベント。メーンプログラムは、本年度のメディアアートデュレクターに就任した齋藤精一さんが社長を務めるライゾマティクスの作品「アートトラックプロジェクト ハル号 アケボノ号」。
東京ミッドタウンに設置した、提灯でできた電光掲示板を乗せた「ハル号」と、六本木の街を移動する、3つの巨大ミラーボールを乗せた「アケボノ号」の2台のトラックで構成される同プログラム。「ハル号」には来場者が投稿したメッセージなどを表示し、「アケボノ号」は来場者が操作できるなどインタラクティブな仕掛けを備える。
齋藤さんは「2020年に向けて街とアートを介して人がどうつながれるか、なるべく多くの人がアートナイトを通してつながって、自分もこういう形で参加できるんだと体感してもらえれば」と話す。
同イベントのアートディレクターを務める日比野克彦さんは「『ハルはアケボノ ひかルつながルさんかすル』というテーマには、みんなが参加できるメディアアートの作品があり、それが光り、そして世界につながるという意味があるが、加えて『春の朝日がきれいだ』というような1000年たっても変わらないものもある。変わるものと変わらないもの、それを共有するのが文化だということを伝えたかった」と話す。
「オープン・コール・プロジェクト」 も特長の1つ。公募した86作品の中から4作品を選出し展示する。選出作品の一つ、スイッチ総研の作品は、エリア内の各所に「スイッチ」を設置し、太鼓や粘土などさまざまなスイッチを操作すると「スイッチャー」と呼ぶ人々がパフォーマンスを行うという仕掛け。所長の光瀬指絵さんは「アートナイト史上最も敷居の低い芸術と読んでいる。その場所にあわせてオリジナルのスイッチを作っているので、気軽に試してほしい」と話す。
そのほか、数秒間のアニメーションをつくるワークショップ「動きだせ!色とかたち アニメーションのしくみを知ろう」(国立新美術館、25日11時~15時)、ライゾマティクスの真鍋大度さんがオーガナイズする日本のテクノロジーアートの現在と未来を考察するカンファレンス「六本木ダークナイト」(テレビ朝日umu、25日23時~翌2時)、ダムタイプの映像作品4作品を映画館で上映する「ダムタイプ映像祭」(TOHOシネマズ六本木ヒルズ、25日21時~翌4時10分、鑑賞料金=1,000円/1作品)など。
同時開催プログラムとして、グーグルナイアンティック・ラボとライゾマティクスによるコラボレーションイベントを開催。スマートフォンの位置情報を利用した陣地取りゲームアプリ 「Ingress(イングレス)」のポータルと呼ばれる拠点をエリア内の18カ所に設置、2つの陣営でポータルを奪い合い、1時間に一度、六本木ヒルズ屋上に設置された光の橋なの色が変化するというもの。六本木ヒルズアリーナに設置した巨大ジャングルジムも戦況に合わせて変化する。
開催時間は25日10時~26日18時(コアタイム=25日18時22分の日没~26日4時56分の日の出)。入場無料(一部プログラムと美術館企画展は有料)。