
トークイベント「教えてもらえるのは、3つだけ」が9月15日、六本木の書店「文喫(ぶんきつ)」(港区六本木6)で開催され、「いきものがかり」の水野良樹さんと音楽プロデューサーの木崎賢治さんが登壇した。
同店では現在、水野さんが主宰するプロジェクト「HIROBA」とのコラボ企画展「HIROBA×文喫」を開催している。読書に没頭できる「書斎」のようなスペースを店内に設け、水野さんが手掛ける作品などを並べている。
木崎さんは1946(昭和21)年、東京都生まれの音楽プロデューサー。「渡辺音楽出版」(渋谷区)在籍時は、アグネス・チャンさん、沢田研二さん、山下久美子さん、大澤誉志幸さん、吉川晃司さんなどの制作を手がけた。独立後は、槇原敬之さん、トライセラトップス、BUMP OF CHICKENなどのプロデュースを担当した。
トークイベントでは、水野さんからの質問を受け、木崎さんが若いアーティストへのアドバイスや音楽づくりのあり方について語った。2人は、「タイトル(名付け)を決める」「誰に何をどの場面で伝えるか」「真実を一つ入れる」の3つのテーマでトークを繰り広げ、イベントの最後には参加者からの質問にも応えた。
木崎さんは「曲のタイトルが方向性を決め、音楽の外の言葉や体験から拾ってきても良い。(中略)手紙のように宛先を固定し、シーンを具体化すると言葉が立ち上がる。(中略)物語や比喩は自在でも、自分が本当に感じた『本当のこと』を一点差し込むことで、それが曲を支える核心になる」と語った。
水野さんは「(「みんなに刺さる曲を作るには」の問いに対して)全員に刺さる曲は現実的に難しい。最優先は自分の納得。良いものは世代やジャンルを超えて徐々に広がる。賛同者は少しずつ増えるから、自分の感覚を信じて積み重ねる」と話した。