サントリー美術館(港区元赤坂1)は11月29日、2007年3月30日に開業する東京ミッドタウン(赤坂9)内への移転に関する詳細を発表した。
移転先は、同施設「ガーデンサイド」内で、同施設開業に合わせ共に開館する。展示室面積は従来の約2倍となる約1,000平方メートル、全体面積約4,700平方メートルの美術館として生まれ変わる。1961年の開館以来の基本理念「生活の中の美」を継承しながら、新たに「美を結ぶ。美をひらく。」という活動指針を掲げる。
建築デザインは「都市の中の居間」をコンセプトに、建築家・隈研吾さんが手掛けた。随所に、桐・和紙などを意匠に用い、外観はルーバー(縦格子)に覆われ、高さ約10メートルの吹き抜けスペースには伝統的な窓の意匠「無双格子」を参考にした調光装置を備える。床材には再生利用したウイスキーの樽材などを用いる。施設は6階建てで、付帯設備として収納庫、ショップ、カフェ、茶室、ホール、会員専用サロンなどを設ける。
同館の新ロゴマークは、漢字の「美」から変化した平仮名の「み」をモチーフとしたものになる。配色には「ジャパン・ブルー」として藍色を用いた。アートディレクションはグループ会社のサン・アド(千代田区)のアートディレクター葛西薫さん・ナガクラトモヒコさんが手掛けた。
開館日からは開館記念展として「日本を祝う」(2007年3月30日~6月3日)と「水と生きる」(2007年6月16日~8月19日)を開催。国宝・重要文化財を含む館蔵品約3,000件の中から約300件を展示する。(写真=完成イメージ ©隈研吾建築都市設計事務所)