東京ミッドタウン内のインテリアショップ「SAYA(サヤ)」(港区赤坂9、TEL 03-5413-0709)で9月1日より、プロダクトデザイナーの柳宗理さんデザインのステンレスケトル(やかん)の製造工程が紹介されている。
柳さんは1915年、東京生まれ。東京美術学校(現東京芸術大学)油絵科卒業。代表作に「バタフライスツール」などがあり、日本を代表するプロダクトデザイナーとして国内外で広く知られる。また、東名高速道路東京料金所の防音壁や駅のキオスクなどプロダクト以外にも幅広いジャンルのデザイン活動も行う。父は民藝運動の指導者として有名な柳宗悦さん。
ステンレスケトルは、柳さんの代表作の1つ。底面積や給水口が広く、有機的な曲線のフォルムに特徴があり、グッドデザイン賞を受賞している。また、お湯が早く沸くことでも知られる。同店でも「売り上げの多い商品」(阿部誠店長)で、販売価格はつや消し=7,350円、ミラー=6,300円。
店内中央に設けた展示台上では、本体、底、口、ハンドル、蓋の各パーツが組み合わさり完成する様子を、実物の製造工程見本と映像を交えて紹介する。ケトルの生産地は、新潟県・燕市一帯で、工程ごとに別の工場を回り、全部で15の町工場を巡るという。店舗営業時間は11時~21時。展示は10月31日まで。
同店は、柳さん、渡辺力さん、小泉誠さんなど日本人デザイナーによる日用品を紹介・販売する店舗。運営は総合商社の佐藤商事(中央区)。店舗デザインは小泉さんが担当した。