昭和20年代の敗戦後の焼け跡や闇市などを写し出した写真を展示する「林忠彦写真展『カストリ時代』」が5月16日より、富士フイルム(港区赤坂9)内のショールーム「FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)」(TEL 03-6271-3350)1階のギャラリー「PHOTO IS」で開催される。
戦後を代表する写真家で、紫綬褒章受賞などの経歴を持つ故・林忠彦さんは1980年、自身の代表作「カストリ時代」をもとに自らプロデュースした展覧会を銀座「富士フイルムフォトサロン」(昨年、同ショールーム2階に移転)で開催した。同展では、当時使われた写真パネルをそのまま使用し、同展覧会を再現する。
「カストリ」とは、第二次世界大戦直後に盛んに造られた粗悪な密造酒のことで、味がなく、酔うために大衆に飲まれたという酒。同展ではカストリが流行した昭和20年代、敗戦後の激動の時代を写した写真を展示。品川駅で別れの握手を交わす復員兵や、上野の路上でたむろする浮浪児、靴磨きをするこども、築地の水上生活者、浅草の大衆劇場の楽屋の女性たちなどの写真に加え、太宰治や川端康成、坂口安吾など昭和に活躍した有名作家の写真を含む86点を並べる。
開催時間は11時~20時。入場無料。 会期中無休。6月4日まで。展覧会について富士フイルムフォトサロンの担当者は「この時代に青春時代を過ごした年代の方が見に来てくださり、とても懐かしんでくれている。『今日よりも明日』という気持ちで過ごすこの時代の人たちの表情が違う。林さんが写真の意義は一番に『記録性』だと言っているように、当時の空気を感じてもらえれば」と話す。
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