六本木・グランドハイアット東京（港区六本木6）は6月1日、バッテリー交換式電気自動車（EV）のタクシーサービスを期間限定で始めた。「ホテル業界では初めて」だという。　

　EVの充電ネットワークを提供するサービス・プロバイダーである「ベタープレイス・ジャパン」（千代田区）が日本交通（品川区）と共同で経済産業省・資源エネルギー庁の「平成21年度　電気自動車普及環境整備実証事業（ガソリンスタンド等における充電サービス実証事業）」の一環として行うもの。実際のタクシー営業を通じて、バッテリーの交換時間とか耐劣化性などの性能を検証するのが目的。

　使用する車は日産のSUV「デュアリス」をベースに開発したもので、バッテリーの交換は既存のタクシーがLPGステーションで給油するよりも短い時間で行うことが可能。バッテリーの交換ステーション（港区虎ノ門1）への入場から交換、ラックへの保管、充電まで所要時間は約1分。すべて自動行われる。排気ガスが出ないため、CO2の排出や都市の大気汚染の削減を可能とした。

　今回の取り組みについて、同ホテル広報担当者は「社内でグリーンチームを結成するなど、地球環境に配慮した取り組みを積極的に行っている。六本木ヒルズの乗り場を発着点にしていることに伴い、実際にＥＶタクシーを利用されたお客さまが何か一つでも今の地球環境の現状を知り、知識を増やして帰ってもらえるようなホテルを目指すため協力することを決定した」と話す。

　利用状況については、「開始したばかりなので（利用者は）まだ少ないが、利用者からは『エンジン音がしないため非常に静かで乗りやすい』との声をいただいている。地球環境に配慮しながら普通のタクシーと同じ運賃で乗車できるので、この機会にぜひ体感してほしい」とも。

　六本木ヒルズ森タワーのEV専用レーン（南エレベーター1階正面）から乗車可能で、森ビルと合わせて3台を一般利用客にも提供する。通常のタクシー運賃で利用可能。7月31日まで。

　利用可能時間は、4月26日～7月31日　平日＝8時30分～翌1時30分 、土日祝＝11時～19時。隔週木曜日5月6日・20日・6月3日・17日、7月1日・15日運休