六本木ヒルズ・多目的スペース「umu(ウム)」(港区六本木6)で11月26日・27日、東京工芸大学芸術学部デザイン学科DC(デジタルコミュニケーション)コースの学生による企画展「ヒーローの造形芸術」が開催される。
同大学の田邊順子教授が学生たちに「現代のヒーロー像とは」を投げかけたことから始まった同プロジェクト。田邊教授は、「昔と今では、ヒーロー像が大きく変わってきている。単純に『善と悪』の二元的な位置付けだったものが、現代になるにつれて情報があふれ、価値観が多様化することで、『ヒーロー』というものが分かりづらくなってきた。そこでニューメディアを学ぶ学生たちに、この投げかけてみたいと思った」と話す。
今年4月、映像学科・デザイン学科・アニメーション学科・メディアアート表現学科から有志が集まりプロジェクトが立ち上がった。
「現代のヒロイズムとは何か」「それを具現するヒーローとは誰か」「その造形デザインをどう考えるか」の3つのテーマで展開する。
学科の壁を越えて集まった学生たちは一つのチームとなり、現代におけるヒーロー像を調査・分析・再構築。デザインやアニメーションなど、それぞれが役割を担って映像作品「E.B.DEPENDENCE」を制作した。
会場ではこの映像を流し、27日には監督を担当した学生が映像を紹介するほか、小道具や制作過程などもパネルで展示する。
27日は、NHK大河ドラマ「龍馬伝」制作スタッフの人物デザイナー・柘植伊佐夫さん、プロダクションデザイナー・山口類児さんによる特別講演「ヒーロー坂本龍馬をデザインする」(15時~)のほか、仮面ライダーシリーズをはじめ、多くのヒーロー作品を手がけてきた東映プロデューサー・白倉伸一郎さんが加わりトークイベント「ヒーローはどこにいる?」も予定。
田邊教授は、「『学問』という堅苦しいものではないので、アニメ・CG・映像などに興味がある人、将来その分野を目指している人をはじめ、高校生などでも気楽に見に来てもらえれば」と話す。
開催時間は12時~20時。入場無料。