東麻布のギャラリー「TAKE NINAGAWA」(港区東麻布2、TEL 03-5571-5844)で5月14日、現代アーティスト・ミカ・ロッテンバーグさんの国内初となる個展が始まった。
ミカ・ロッテンバーグさんは1976年アルゼンチン生まれ、NY在住のイスラエル人アーティスト。映像インスタレーション作品を中心に活動を行い、2006年にはカルティエ・アワードの第1回受賞者に選ばれ、2010年にはMOMAサンフランシスコで個展を行うなど、海外では一定の評価を得ている。
国内で初の個展となる今回は、当初は初期の映像インスタレーション作品を展示する予定だったが、東日本大震災の影響で資材の調達が難しくなったことから、写真16点とドローイング4点の平面作品のみとなった。写真作品はパン生地を被写体とするシリーズ、不思議な空間にさまざまな人種や体形の人がいるシリーズなどで、「映像インスタレーションのスチールではなく、独立した作品」だという。
同ギャラリー・オーナーの蜷川敦子さんは「今後インターナショナル・プログラムにも力を入れていきたいと考えており、その最初のアーティストとして彼女を選んだ。映像インスタレーションが展示できなかったのは残念だが、来年にはあらためて展覧会を計画している」と話す。作品については、「作品には、極端に太っている人などいわゆる奇形に近い人物が登場するが、フェティッシュではなく、政治的に周縁化されている対象を登場させることで、マイノリティーについての問題を提起している」とも。
開催時間は11時~19時。日曜・月曜・祝日休廊。入場無料。6月25日まで。