西麻布交差点そばに9月7日、宮崎の雑炊専門店「お通」(港区西麻布1、TEL 03-6804-6422)が日本橋から移転・オープンした。経営はムサシ(宮崎県宮崎市)。
店舗面積は約32坪、席数は44席。7月まで営業していた日本橋店はカウンターがメーンだったが、新店舗はそれぞれのテーブルを個室風に仕切ったプライベート重視の内装で、席数も大幅に増やした。
1961(昭和36)年、宮崎に「BARお通」という店名で開業した同店。ママの古市玲子さんが飲んだ後の締めに出す雑炊が評判となり、「にら雑炊」だけを出す店として、店名も「ぞうすいの店 お通」に変更。古市さんの死去後は、雑炊の味とママの人柄にほれ込み修行に入っていた現在の店主・福原優一さんが引き継ぎ、「雑炊のおいしさをたくさんの人に知ってほしい、ママの味を広めたい」とメニューを増やし、店舗拡大に務めた。
東京初上陸を果たした日本橋店で震災に遭い、一時は宮崎に帰ろうという思いもあったという福原さん。「被災者の方々のインタビューを聞いていたら、逆に頑張らなくちゃ」と思ったという。もともと東京の繁華街に進出したかったのと、震災後に空き店舗が増え、入店しやすくなっていたことをチャンスと捉え移転を決めた。
雑炊(840円~)は、創業当時から変わらず、カツオと昆布、シイタケでだしをとる。創業時の「ニラ」以外に、現在は福岡で人気だという「サバ」や、ボリュームのある「豚」や「鶏」、「めんたい」「うなぎ」「ホタテ」「カニ」「チーズ」「梅」「バター」、10月から3月の限定メニュー「カキ」など。これらはトッピング(80円~)としても追加でき、カスタマイズできるのが特徴。
新しいメニューとしては、日本橋で営業していたときに仲良くなった洋食店のマスターから伝授されたホワイトソースで仕上げる「クリーム雑炊」や、約18種類の根菜や肉類が入り、塩だけで仕上げる「塩鍋」(要予約、単品=2,800円)などもそろえた。
「もともと飲んだ締めとして人気だった雑炊なので、西麻布かいわいで飲んだ帰りや、ランチとしてもぜひ食べてみてほしい。塩鍋は宮崎でも人気のメニュー」と福原さん。
営業時間は11時30分~翌6時(日曜・祝日=24時まで)。