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南麻布で古賀絵里子さん写真展「浅草善哉」-老夫婦との6年間描く

写真集「浅草善哉」より

写真集「浅草善哉」より

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 南麻布の「EMON PHOTO GALLERY(エモン・フォトギャラリー)」(港区南麻布5、TEL 03-5793-5437)で現在、写真家・古賀絵里子さんによる写真展「浅草善哉」が開催されている。

昔は喫茶店だったというカウンター(関連画像)

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 2008年にも同ギャラリーで「浅草善哉」展を開き、4年ぶりとなる同展。浅草で出会ったある老夫婦の日常を切り取った作品を紹介する。

 古賀さんが老夫婦と出会ったのは2003年。浅草が好きだった古賀さんは、頻繁に通っては待ちの写真を撮り続けていた。しかし、街の表面しか撮れず、自身が感じる「浅草」と写真との間にずれを感じていた。

 2003年春、古賀さんは浅草三社祭に行くが、その日も思うような写真が撮れず、祭りを後にして帰路につくが、なぜかいつもとは違う道順を選んでいた。街の喧騒(けんそう)から離れたところで、目の前に現れたのは昔ながらの長屋。その一角でオレンジ色の明かりを放つ部屋を見つけ、古賀さんは引き寄せられるようにドアをノックした。

 「特に何を話したというわけではないが、どこか救われた感じがした」と話す古賀さん。帰り際、おばあちゃんから「また遊びにおいで」と言われ、その日以来、毎日のように老夫婦宅を訪れるようになった。数カ月間は、ただ会いに行くだけだったが、「この存在感を形にしたい」と2人の日常を撮り始めた。「おじいちゃんはお酒を飲み、おばあちゃんはタバコを吸う。毎日が同じだったが、そこには言葉にできない、大切な何かがあるのを感じた」と古賀さんは話す。

 おじいちゃんの善さんは2008年、おばあちゃんのはなさんは2010年に他界。可能な限り長屋を訪れ、買い物を手伝うなどして日常を共にしていた古賀さんが描き出した2人の姿は、昨年末に出版した写真集「浅草善哉」に収められた。

 同展では、2008年以降に長屋で撮影した写真を含め55作品を紹介する。

 営業時間は11時~19時(土曜は18時まで)。日曜祝日定休。入場無料。2月20日まで。

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