森ビル(港区六本木6)取締役で森美術館理事長の森佳子さんが3月26日、フランス共和国より「レジオン・ドヌール勲章」を受賞、「シュヴァリエ」に叙された。
森さんは昨年亡くなった同社・森稔前社長の夫人で、森美術館開館時から理事長に就任、ほかに英国ロイヤルアカデミー・トラスティー、ロシア美術館国際諮問委員会委員、東京都芸術文化評議会評議員、公益財団法人日仏会館諮問委員などを務める。
レジオン・ドヌール勲章はナポレオン・ボナパルトによって制定されたフランスの栄典制度で、軍人や文化・科学・産業・商業・創作活動などの分野における民間人の「卓越した功績」を表彰するもの。日本の民間人では日仏間の経済、文化交流の発展への功労者などに与えられることが多く、これまでに出井伸之ソニー名誉会長、日本画家の川合玉堂さん、映画監督の黒澤明さん、小説家の大江健三郎さん、漫画家の池田理代子さんなどが受賞している。
授賞式でクリスチャン・マセ仏大使は「日本においてフランス人アーティストを定期的に紹介することが可能となったのは、日本における現代アートの振興および国際化ならびにフランスと日本の文化的交流の深化に尽力した森佳子さんの功績が大きい」と受賞理由を説明。森さんは「森美術館はこれまでにフランス関係の4つの大きな展覧会を開催し、フランスの素晴らしい現代美術やアーティストを日本に紹介してきた。今後も、森美術館などの活動を通して、両国の文化交流に寄与していきたい」などと感謝の言葉を述べた。
六本木ヒルズは4月25日にオープン10周年を迎え、フランス人アーティストのジャン・ミッシェル・オルさんの作品も設置される。