六本木のレンタルフリースペース「六本木スペース ビリオン」(港区六本木4)で6月2日、グラフィックデザイナー・長友啓典さんの個展「青のない国」が始まる。
同展では、4月18日に小さい書房(狛江市)から出版された絵本「青のない国」の原画を、長友さんがシルクスクリーン印刷で仕上げたもの計30点を展示する。
絵本作家の風木一人さんと、グラフィックデザイナーの長友啓典さん、ブックデザイナーの松昭教さんがコラボレートして作った同書は、小学校高学年以上の漢字にルビが振られているものの、生き方をテーマにした大人向けの絵本。文芸書コーナーにも置かれるなど、「絵本」という枠を超えてジワジワと売り上げを伸ばし、一時的に在庫が品薄になっている書店もあるという。
同書は、青のない国で静かに暮らす男にまつわるストーリーで、ある日山で見たこともない植物を見つけて評判となることから展開していく。「『何が大切かは、自分で決める』というメッセージを込めた」と編集者の安永則子さん。自ら構想した企画を形にするための作家を探す中、「手の届かない存在の長友さんに、まさか(絵を)お願いできるとは思わなかった。展示用の原画は手作業によるシルクスクリーン印刷で作成されているが、独特の風合いにコアなファンも多い」と話す。
開催時間は14時~20時(土曜は18時まで)。日曜休廊。6月13日まで。同書は会場でも販売する。