東京ミッドタウン(港区赤坂9)のアトリウムで10月17日、プロダクトデザイナーの吉岡徳仁さんの「SPARKLE ROUNGE」などを展開する「Salone in Roppongi(サローネ・イン・ロッポンギ)」が「東京ミッドタウン・デザインタッチ」の一環として始まった。主催は六本木経済新聞、赤坂経済新聞から成る実行委員会。
「SPARKLE ROUNGE」では、吉岡さんがイタリアの家具メーカーKartell(カルテル)のためにデザインした「SPARKLE(輝くスツール)」2種類を50脚以上配置。2階の高さまである窓から入る太陽光や屋内の照明をスツールが屈折・反射し、それぞれが複雑な影を落とす仕掛けになっている。
吉岡さんは「このスツールのデザインで一番こだわったのはランダム感。一見規則正しく見えるが一つ一つの凹凸の長さが違い、それが偶然の美しさを生み出す。これだけの数を1カ所に置くことはなかなかない。単体よりも一つのインスタレーションとして見ることができる。自然光が入ってくる午後に見るのがお薦め」と話す。
会場のスツールは誰でも自由に座ることができ、座って視線が低くなると、全体を外側から見渡すのとはまた違う光の美しさを感じることができる。
吉岡さんは、26日の13時30分からカルテルCEOのクラウディオ・ルーティさんらと共に、「デザインタッチ・カンファレンス」の講義「ミラノサローネに広がる日本デザイン」にも登壇する。
吉岡さんは若いデザイナーに向け「物を生み出すことは素晴らしいこと。決して楽ではないけれど、苦しみの中で未来を創るようなイメージでやってほしい。今回のスツールも形を微妙に変えながら、たくさんのサンプルから創り、そこから出されたもの。そのかけた時間が最終的な完成度につながる」とも。
同会場では26日の16時から、ミラノサローネにも出展したカードゲーム「Rocca」を誰でも楽しめる「Rocca PARTY」も開催。シチズン、レクサスなど日本企業の展示の紹介と合わせ、ミラノサローネでの日本人や日本企業の活躍を体感できる企画となっている。
開催時間は11時~21時。入場無料。今月26日まで。