六本木ヒルズの森美術館(港区六本木6)で11月1日、映画監督ティム・バートンさんのスケッチや絵コンテなどを展示する「ティム・バートンの世界展」が始まった。
ティム・バートンさんはディズニー・スタジオのアニメーターを経て映画監督に。1985年に「ピーウィーの大冒険」で長編映画デビューし、その後「ビートルジュース」「シザーハンズ」「チャーリーとチョコレート工場」などの作品を監督した。
同展は2009年にニューヨーク近代美術館(MOMA)で開催され、同館史上3番目の80万人以上の来場者を集めた展覧会を日本向けに再構成したもの。学生時代から現在までに制作したドローイング、ペインティング、写真、パペットなど約500点を展示する。
バートンさんが「今回の展示物はアートではなく、私の創造過程を見せるだけのもの」と言うように、映画に登場するキャラクターのアイデアを書きとどめたスケッチや、ストーリーボードなどが多く、バートンさんの独特の映画世界が出来上がる過程をうかがい知ることができる。併せて、「ブルーガールとワイン」のような本格的なペインティングや大判のポラロイド写真のシリーズなどもあり、映画制作にとどまらないバートンさんの創作活動の一端に触れることができる。
展示品には、バートンさんが18歳の時にディズニーに出版を打診したという絵本の原稿や少年時代に8ミリフィルムで撮影した短編映画なども。バートンさんは「私の作品は芸術作品としては最高のものではないかもしれないが、見ることで自分も何かを制作したいというインスピレーションになってくれれば一番うれしい」とも。
開催に先駆けた10月31日、来日したバートンさんを招きオープニングセレモニーを開催。東京モード学園の学生がバートンさんの映画作品をイメージしてデザインしたファッション36点を披露するファッションショーを見たバートンさんは「どれも素晴らしくて甲乙つけがたい。次の映画のコスチュームをお願いしたいくらい」とコメントした。
開催時間は11時~22時(土曜・日曜・祝日は23時まで)。入場料は一般1,800円など。来年1月4日まで。