東京ミッドタウン(港区赤坂9)のアトリウムで10月16日、建築家の中村拓志さんの体験型インスタレーション作品「Diving Bell(ダイビングベル)」を展示する「Salone in Roppongi(サローネ・イン・ロッポンギ)」が「東京ミッドタウン・デザインタッチ」の一環として始まった。主催は六本木経済新聞、赤坂経済新聞から成る実行委員会。
中村拓志さんは1974(昭和49)年生まれ。明治大学大学院博士前期課程を修了後、隈研吾建築都市設計事務所に入所し、2002年にNAP建築設計事務所を設立。これまでに、「東急プラザ表参道原宿」(2012年、渋谷区)、「狭山の森 礼拝堂」(2013年、埼玉県所沢市)、「Ribbon Chapel」(2013年、広島県尾道市)などを設計。「Ribbon Chapel」は今月、ヨーロッパ主要建築家フォーラムが世界の「次世代の基準となる」の建築デザインに与える「リーフ賞」で最高賞を受賞した。
今回のインスタレーション作品「ダイビング・ベル」は、イタリアの高級時計メーカー「OFFICINE PANERAI(オフィチーネ・パネライ)」とのコラボレーションで制作。1人用のカプセルに入ると、カプセル内のスクリーンの色が変化して深海への旅を体験できるというもの。
中村さんは「今回の出会いがあって、作品を考えるうちに湧いてきたのが『無限の空間』を作りたいということだった。無限と有限のバランスは実に意味が深く、無限を知ることで有限の大切さを知ることができると思った。ダイビングベルに入った人それぞれのイマジネーションで無限の世界をぜひ感じてほしい」と話す。
パネライのブランドCEO伊知地徹さんは「パネライの時計はイタリアの海軍特殊潜水部隊のために製作されたことから始まった。ダイビングベルに入り込むことで非日常空間でのワクワク感を感じ、深海で生まれたパネライの時計に思いをはせてもらえれば」と話す。
中村さんは今月25日の「デザインタッチ・カンファレンス」で、16時から「つながるデザイン ふるまいの設計」をテーマに講演も行う。
開催時間は11時~21時。参加無料。今月25日まで。