乃木坂の「TOTOギャラリー・間」(港区南青山1)で現在、同ギャラリーの30周年記念展となる「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」が開催されている。
同展はアジアでいま注目される若手建築家5組を取り上げ、模型や写真、映像、インスタレーションで紹介するもの。出展作家は、タイのチャトポン・チュエンルディーモルさん、シンガポールのリン・ハオさん、ベトナムのヴォ・チョン・ギアさん、日本の大西麻貴さんと百田有希さん、中国のチャオ・ヤンさん。
竹と取り入れた建築に取り組んでいるというヴォ・チョン・ギアさんは「地球のためにできること」と題し、竹でできた構造にさらに植物を取り入れた「パビリオン」を中庭に建てた。来場者はその中に入り、匂いをかぎ、触れて体験することができる。ヴォさんは「近年の急速な発展によって、都市部の若い世代は、ほとんど自然とつながりのない生活を余儀なくされている。木々の側でしばしの間たたずんで、都市にもたらされるグリーンの効果に思いをはせることを願っている」とコメントする。
チャトポン・チュエンルディーモルさんは「デザイン屋台」と題し、屋台をモチーフにした4台のカートの上に「バンコクの粗悪」建築群を50分の1で再現した模型などを展示。チュエンルディーモルさんは「この展示の狙いの一つは、建築展では建築にまつわるものしか紹介しないとする通念を覆すこと。建築に『日常』を持ち込むことが、『バンコクの粗悪品』屋台の狙い」と話す。
リンさんは「往時の風景へ」、大西さんと百田さんは「経験の一部としての建築」、チャオさんは「地方都市への参入と介入」と題し、模型や映像などを、それぞれ展示する。
開館時間は11時~18時。月曜・祝日休館。入館無料。12月12日まで。