国立新美術館(港区六本木7)で現在、文化庁の「在外研修制度(新進芸術家海外研修制度)」で海外派遣された若手芸術家の成果を発表する企画展「18th DOMANI・明日展」が開催されている。
将来の日本の芸術界を支える芸術家を育成するため、若手の芸術家が海外の大学や機関で行う研修を支援する同制度。美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術等、メディア芸術等を対象に1年、2年、3年、特別(80日)、短期(20~40日)、高校生(350日)がある。1967(昭和42)年から実施され、同展は1998年から毎年行っている。
今年の展覧会では、「表現と素材 物質と行為と情報の交差」をテーマに、2000年以降の研修経験者の中から、表現と素材の関係が際立つ作家11人と、「文化庁優秀美術作品買上制度」で作品が文化庁の所蔵となっている木版画の風間サチコさんの作品を展示する。
現代美術の佐伯洋江さんは1978(昭和53)年生まれで、2012年にイギリスへ派遣され、現在はベルリンを拠点に活動を行っている。ケント紙にシャープペンシルで描く細密な描写が特徴で、近年は彩色した作品も発表している。メディアアートの田村友一郎さんは1977(昭和52)年生まれで、2012年ドイツに派遣。今回の展覧会では「六本木心中」と題したインスタレーション作品などを発表している。
他の出展作家は、アニメーションのALMOさん、日本画の木島孝文さん、インスタレーションの栗林隆さん、現代美術の線幸子さん、絵画の富岡直子さん、古川あいかさん、モザイクの西ノ宮佳代さん、染色造形の野田睦美さん、彫刻の松岡圭介さん。また、保存修復の石井美恵さん、奥村祥子さんの成果も紹介する。
開催時間は10時~18時(金曜は20時まで)。火曜、12月22日~来年1月5日休館。観覧料は一般=1,000円など。来年1月24日まで。12月19日、来年1月9日、16日には、アーティストによるギャラリートークも予定する(参加無料)。