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森美術館で「アウト・オブ・ダウト展」-開館10周年記念で

金氏徹平《Ghost in the Liquid Room (lenticular) #1》2012年 レンチキュラー、反射シート、木 180×180 cm Courtesy: ShugoArts, Tokyo

金氏徹平《Ghost in the Liquid Room (lenticular) #1》2012年 レンチキュラー、反射シート、木 180×180 cm Courtesy: ShugoArts, Tokyo

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 森美術館(港区六本木6)で9月21日、開館10周年を記念した「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト――来たるべき風景のために」が始まった。

岩田草平×プロマイノリティ 《アディバシの家 原型》 2010年  土、竹、藁、ストローベイル、葦、牛糞、微生物ろ過による水の浄化装置、炭  800×900×580 cm

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 3年に一度、日本のアートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として2004年から開催してきた「六本木クロッシング」。4回目の今回は、シリーズ初の試みとして海外から若手ゲスト・キュレーターのルーベン・キーハンさん(豪クイーンズランド・アートギャラリー、ブリスベン近代美術館)、ガブリエル・リッターさん(米ダラス美術館)の2人を迎え、同美術館チーフ・キュレーター・片岡真実さんとの共同企画として、日本の現代アートをグローバルな視点から考える。

 タイトルの「アウト・オブ・ダウト」は、東日本大震災以降、社会的な自覚や意識が明確に高まっている現在の日本において、これまでのあらゆる社会通念や既存の制度に向けられた疑念(ダウト)から、どのような生産的な議論を生み出せるかという問題を提起。

 1970~80年代生まれを中心とした約29組のアーティストが参加するが、1950年代のルポルタージュ絵画運動に参加していた中村宏さん(1932年生まれ)と風間サチコさん(1972年生まれ)の作品を併置するなど、日本を歴史的に再検証する意味で、戦後の前衛的な日本美術をけん引してきたアーティストとの世代を超えた対話も試みる。「もの派」の代表的アーティスト、菅木志雄さんの実践にみるフォルムと空間、プロセスなどの関係、インドの少数民族との活動を中心に近代化の意味を考える「岩田草平×プロマイノリティ」、陶芸をタイルの社会史から考える中村裕太さんなどの作品を通じ、日本古来の自然観や不可視のエネルギーへの意識などを再考。

 また、地理的な意味での日本に限定せず、オーストラリア在住の高坂正人さん、流井幸治さん、アキラ・アキラさん、ニューヨーク在住の田島美加さん、笹本晃さん、荒川医さんなど、日系・在外アーティストを含めることで、日本の文化の広がりについても考察する。

 「2003年の開館から10年、激変し続ける世界で、本展が、日本の現代アートの様相を浮き彫りにする、未来への可能性を導き出すきっかけになれば」と広報担当者。

 開館時間は10時~22時(火曜は17時まで、12月の金曜は24時まで)。入場料は、一般=1,500円、学生(高校・大学生)=1,000円、子ども(4歳~中学生)=500円。来年1月13日まで。

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