東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHT(港区赤坂9、TEL 03-3475-2121)で2月26日、企画展「雑貨展」が始まった。
深澤直人さんがディレクターを務める同展。「なぜ雑貨がこれほど魅力的なのか、なぜ私たちをこれほどまでに引き付けるのかと考えたときに、これはもう『新しいデザイン』という魅力を超えているかもしれない」と考察。「雑貨は時代の節目節目に外来の多様な生活文化や新しい習慣を柔軟に取り入れ、暮らしの中に取り込んできた日本人の生活史を象徴する存在となっている」とし、同展ではそうした雑貨をめぐる環境や感性を一つの文化として俯瞰(ふかん)し、そのたたずまいやデザインの魅力にあらためて目を向ける。
展示は、「今の時代を切り取る」ことをテーマに、さまざまな視点から構成。コンセプトリサーチを担当した熊谷彰博さんは、「『雑貨』とは日本独特の感性で、カテゴライズのできない言葉だと思った。『オブジェの集合体』としてリサーチを進めた」と話す。
イントロダクションでは、荒物問屋の「松野屋」とデザイナーの寺山紀彦さん(studio note)による「松野屋行商」を展示。明治時代、荷車に日用品を積んで販売していた行商の姿を、現代の日用品で再現した。そのほか、15のキーワードとともに読み解いた「雑貨屋のルーツ」や、さまざまな雑貨を一堂に並べた展覧会企画チームによる「雑貨屋の雑貨」、ナガオカケンメイさんとD&DEPARTMENTによる「d mart used『D&DEPARTMENT PROJECT』が考えるコンビニエンストア」など。
「12組による雑貨」では、YAECAの井出恭子さんや、スタイリストの岡尾美代子さん、料理家のたかはしよしこさん、平尾奈緒美さん、PAPERSKY編集長のルーカスB.B.さん、PUEBCO INC.、CINQ SAML WALTZの保里正人さんと享子さん、群林堂の松場登美さん、alpha co.ltdの南貴之さん、森岡書店など、さまざまな分野のプロフェッショナルが出展する。
関連プログラムとして、トークショーや、深沢さんがセレクトした雑貨を中心に参加作家や出店者にまつわる雑貨を販売する「雑貨店」、期間限定のポップアップショップも登場する。
開館時間は10時~19時(4月28日は22時まで)。火曜休館(5月3日は開館)。入場料は、一般=1,100円、大学生=800円、高校生=500円、中学生以下無料。6月5日まで。