見る・遊ぶ 学ぶ・知る

乃木坂で建築家・三分一博志さん個展 犬島精錬所美術館など紹介

展示の説明をする三分一さん

展示の説明をする三分一さん

  • 0

  •  

 乃木坂のTOTOギャラリー・間(港区南青山1)で4月15日、建築家・三分一博志(さんぶいち・ひろし)さんの個展「三分一博志展 風、水、太陽」が始まった。

三分一博志さん

[広告]

 三分一さんは1968(昭和43)年生まれ。東京理科大学卒業後、建築家として活動し、2003年吉岡賞、2010年JIA日本建築大賞、2011年日本建築学会賞作品賞を受賞、現在デンマーク王立芸術アカデミー教授(非常勤)。代表作品は「エアーハウス」(2001年、山口県)、「犬島精錬所美術館」(2008年、岡山県)、「宮島弥山展望台」(2013年、広島県)など。

 三分一さんは広島をベースに瀬戸内地域で設計活動を展開。風、水、太陽などを「動く素材」と捉え、地形や方位による変化を丹念に分析し、建築のあるべき姿を探求してきた。綿密なリサーチとシミュレーション、実験に基づく設計が作品の特徴で、「動く素材」の観察だけでなく、その土地の歴史や風土、人と自然の営みなどについても調査し作品に反映していく。

 同展では、3階の展示室で三分一さんの作品を写真と動画で紹介、4階ではリサーチやシミュレーション、実験の様子を模型や動画などで紹介する。

 代表作の一つ「犬島精錬所美術館」は、銅精錬所の遺構を保存・再生して美術館にしたもので、電気を使わずに館内を快適に保つ環境に負荷を与えない建築として設計した。3階の展示室では同美術館内の様子や空気の流れをシャボン玉が流れていく動画で紹介、3階では、犬島の歴史や島全体の空気の流れ方のシミュレーションなどとともに、風洞実験に用いた模型や実験の映像を紹介する。

 三分一さんは「犬島は経済の価値に翻弄(ほんろう)された島。その島で動く素材に丁寧に取り組むことで、変わらない価値による再生が可能なのではないかと考えた。そこにあるものだけで町をつくっていくことができるんだということをメッセージとして送りたい」と話す。

 中庭には、三分一さんが調査に用いる「吹き流し」を設置し、異なる動きをする吹き流しから「都市の動く素材」を体験できるほか、ガラスとアクリルの箱により素材による太陽光の吸収の仕方の違いを観察できる仕組みも用意する。

 開館時間は11時~18時。入館無料。月曜・祝日休館。6月11日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース