国際文化会館(港区六本木5)で7月27日、先端加速器科学技術推進協議会(新橋2)がハローキティとコラボレーションした新キャラクター「サイエンス×ハローキティ」の発表会が行われた。
発表会に登場したハローキティ、リン・エバンスさん、村山斉さん
同協議会は、最先端の粒子加速器開発による科学技術の飛躍と新しい世界の発見を目指して設立された団体で、直線型衝突加速器である国際リニアコライダー(ILC)の日本での建設に向けた研究、普及活動を行っている。粒子加速器は、ヒッグス粒子の発見で有名になった欧州合同原子核研究所(CERN)のLHCのように高エネルギーで粒子を衝突させる物理実験を行う装置。
発表会には、リニアコライダーの国際共同研究を推進するリニアコライダー・コラボレーションでディレクターを務めるリン・エバンスさん、副ディレクターの村山斉カリフォルニア大学バークレー校教授、ハローキティが登場した。エバンスさんはCERNのLHCなどの設計、建設にも携わっており「加速器屋」を自称、ノーベル賞に繋がる加速器をいくつも作ってきた。
キャラクターは、ハローキティと科学というこれまでにない組み合わせが特徴で、ハローキティが宇宙の謎を解こうとする姿勢を表現したもの。キャラクター開発を担当した高エネルギー加速器研究機構(つくば市)の高橋理佳さんは「素粒子物理学と聞くと自分とは関係ないものだと考えてしまうので、もっと身近な入り口があればと思って考えた。サイエンスをイメージさせるキティということで最初は白衣を考えたが、物理学者は白衣は着ないので、白衣以外で科学を表現しようと服装や眼鏡などを工夫した。キティが乗っているのはILCの装置の一部で、望遠鏡をイメージさせるデザインにすることでILCが宇宙の最初を眺めることができる望遠鏡のようなものであることを表現した」と説明する。
エバンスさんは「キティはイギリスでも有名で私ももちろん知っている。このような国際的に非常に意義のある計画が日本で進められていることを広く知ってもらうためには有意義な試みだと思う」と話す。
発表会では、Tシャツ、クリアファイルなどキャラクターを使ったグッズも発表された。「サイエンス×ハローキティ」グッズは8月15日から、候補地の東北地方で先行発売し、同協議会のホームページや博物館などの施設でも販売される予定。