ユニジャパン(財団法人日本映像国際振興協会、中央区)は9月19日、アカデミーヒルズ49・タワーホール(港区六本木6)で「第20回東京国際映画祭」の全ラインアップ発表記者会見を開催した。
会見にはユニジャパンの高井英幸理事長、同映画祭チェアマンの角川歴彦氏、ゼネラルプログラミングディレクターを務める黒井和男氏、同映画祭事務局長の福田慶治氏らが出席。角川氏は「20回目の節目で、チェアマンを務めるのは今回で5回目。これまで『東のカンヌ』を目指して闘ってきた。今回は作品が充実しているのが特徴。多様な国々から、多様な作品を集めた」とあいさつした。
コンペティション部門は「鳳凰 わが愛」(ジヌ・チェヌ監督)、「迷子の警察音楽隊」(エラン・コリリン監督)、「ハブと拳骨」(中井庸友監督)、「青い瞼(まぶた)」(エルネスト・コントレラス監督)、「デンジャラス・パーキング」(ピーター・ハウイット監督)、「エリック・ニーチェの若き日々」(ヤコブ・トゥエセン監督)、「ガンジー、わが父」(フェロス・アッバース・カーン監督)、「ハーフェズ ペルシャの詩」(アボルファズル・ジャリリ監督)、「リーロイ!」(アルミン・フォルカース監督)、「再会の街で」(マイク・バインダー監督)、「ストーン・エンジェル」(カリ・スコグランド監督)、「トリック」(アンジェイ・ヤキモフスキ監督)、「誰かを待ちながら」(ジェローム・ボネル監督)、「ワルツ」(サルバトーレ・マイラ監督)、「思い出の西幹道(仮題)」(リー・チーシアン監督)の15作品。黒井氏は「668作品の応募があり、15本にしぼるのは大変だった」と作品選出の苦労を語った。
このほかには、オープニング作品となる「ミッドナイトイーグル」を含む「特別招待作品部門」の20作品、「アジアの風部門」の31作品、「日本映画・ある視点」の9作品、「ワールド・シネマ」の8作品、「第20回特別企画 映画が見た東京」の51作品などが発表された。アジアの風部門では、「これまで東南アジアの作品に偏っているという批判もあった」(黒井氏)ことから、西アジアや中東まで視野を広げて作品を集めたという。
会場には、特別ゲストとして「ミッドナイトイーグル」に出演する大沢たかおさん、玉木宏さん、成島出監督が登場。大沢さんは「オープニング作品に選ばれたことに感謝している。撮影は長野や新潟など、雪山での撮影が多く、過酷で大変だったが、スタッフ100人くらいの大きなチームで懸命に作った作品」と話した。
同映画祭は、今年はじまる「JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」の公式イベントの1つ。角川氏は「日本はコンテンツを創造する発信基地。東京国際映画祭としては『東京に来れば世界の映画の様子が分かる』という状況に引き上げていくのが今後の課題」と話した。
映画祭の開催期間は10月20日~28日の9日間。六本木ヒルズ(六本木6)とBunkamura(渋谷区)をメーン会場に、都内の各劇場や施設・ホールで開催される。前売券(一般販売)は10月6日より販売開始(一部企画を除く)。オープニングイベントのレッドカーペットは、今年も六本木ヒルズで開催する予定。また、「広報活動の中核」(角川氏)としてインターネット上の3D仮想世界「セカンドライフ」内に情報発信拠点を開設する予定。