六本木ヒルズ・森タワー51階(港区六本木6)で11月14日、「MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2007」の受賞作品が発表された。
同賞は、2007年3月にデザイン関連の専門学校や大学などを卒業した学生の、優れた「卒業制作」を表彰するもの。今年で7回目を迎え、プロダクト、グラフィック、ファッション、パッケージ、デザイン研究など幅広いジャンルの233作品が集まった。
審査員長はソーシャル・プロデューサーの水野誠一さんが務め、照明デザイナーの石井幹子さん、インダストリアルデザイナーの榮久庵憲司さん、武蔵野美術大学名誉教授の向井周太郎さん、同校大学教授の柏木博さん、プロデューサーの河原敏文さん、コンセプターの坂井直樹さん、編集者の都築響一さん、アーティストの日比野克彦さん、脳科学者の茂木健一郎さん、三菱ケミカルホールディングスの冨澤龍一代表取締役会長が審査にあたり、同日の受賞席に出席した。
大賞は東京藝術大学美術学部デザイン科卒業の前田彩さんが制作した「Rl00」が受賞し、トロフィーと賞金200万円が贈られた。同作品は絶滅危惧の野生生物を記した「レッドリスト」のうち、森林伐採が主要因で絶滅の危機にさらされている11種の野生生物をモチーフにしてティッシュボックスをデザインしたもの。100パーセント再生紙を使用し、外箱は野生生物等のペーパークラフトとして組み立てることもできる。このほか佳作2作品、各審査員の名を冠した審査員賞10作品、三菱化学賞1作品が発表され、出席した制作者に盾やトロフィーなどが贈られた。
水野さんは「審査員たちが熱く語り合って選び出した。ほぼ全審査員が(前田さんの)作品を推したが、すぐにでも製品化できるような、非の打ち所がないくらい完成した作品のため『ジュニアデザイナーアワードの大賞として選んでよいのか』と、全員が迷った」と審査の苦労を語った。前田さんは「(審査の)展示スペース確保のため、事務局から送り返されるくらい多くの作品を送った。大賞をとるための努力の甲斐があった」とエピソードを明かし、会場の笑いを誘った。受賞作品は11月15日~18日、東京国際フォーラム(千代田区)のガラス棟地下1階のロビーギャラリーで展示される。入場無料。