森美術館(港区六本木6)が2004年から実施している若手アーティスト支援プロジェクト「MAMプロジェクト」。同プロジェクトで8組目の紹介となる荒木珠奈(たまな)さんの個展が8月9日より開催されている。
荒木さんは1970年、東京生まれ。武蔵野美術大学短期大学部を経て、1993年からこれまで数回に渡りメキシコに滞在。メキシコの文化的影響を作品に取り入れてきた。
今回発表した新作インスタレーション「泉」は、メキシコ滞在中に出会ったろうそくに発想を得て、蜜蝋を主要な素材として使用した。メキシコの飾りろうそく、生命樹などのイメージに加え、岐阜・飛騨高山などの正月の「餅花」、埼玉・秩父の「秩父夜祭」の山車の花飾りなどのイメージを取り入れ、「世界をかたち作っている生き物がどろどろの中から生まれて、栄えて、また死んで(溶けて)落ちて、を繰り返している。豊かで美しく、と同時に脆くてはかない世界というイメージ」(荒木さん、カタログ掲載予定資料より抜粋)を表現した。
開催時間は10時~22時(火曜は17時、9月23日は22時まで。入館は閉館時間の30分前まで)。入館料は一般1,500円ほか(現在同館で開催中の『アネット・メサジェ』展と共通)。会期中無休。11月3日まで。
MAMプロジェクトではこれまで、べトナム在住のジュン・グエン=ハツシバさん、韓国・ソウル生まれのチェ・ウラムさん、英国を拠点に活躍するジョン・ウッド&ポール・ハリソン、ヨーロッパを中心に活動を行う西野達さんなど、国内外の若手アーティスト7組を紹介している。
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