広域六本木圏内の2つのギャラリーで「食」にまつわるデザイン展が開催されている。
六本木の「アクシスギャラリー」(港区六本木5、TEL 03-5575-8655)では11月9日までの期間、オランダのデザイナー、マライエ・フォーゲルサングさんを特集した「eating+design:デザインにできること2」展を開催している。開催時間は11時~19時。入場無料。
レストラン兼デザインスタジオ「プルーフ」を拠点に、「食」にまつわる活動を続けるマライエ・フォーゲルサングさん。同展では、高齢者向けに舌で溶ける菓子を提案した「歯のない高齢者のためのスイーツ」や、食事に対し否定的な感情を持ってしまうこどもに向けて制作したスナック菓子「肥満児のためのコンセプト」など、ユニークなテーマで食のあり方を提案している。会場中央には、巨大テーブルを大きな布で囲み、食卓に向かう人の一体感を強調した食の空間「『シェアリング』ランチ」なども展示。食にまつわる新たな価値観を体感できる。
西麻布の「ギャラリー ル・ベイン」(西麻布3、TEL 03-3479-3843)では11月7日までの期間、イタリアの食器・調理器具メーカー「Guzzini(グッツィーニ)」が主催する「FOODESIGN JAPAN by Guzzini」を開催している。開催時間は11時~19時。入場無料。月曜定休。
安積伸さん、伊藤節さん、graf、小泉誠さん、柴田文江さん、nendoなど日本の気鋭デザイナーと企業に所属するデザイナーが「現代の日本における食のあり方」と「日本食のあり方」をテーマに、食器や調理器具をデザインした。
伊藤さんは、箸を使う日本食文化に注目し、箸置きの機能を備えた小皿「FUTAGO」を発表。皿の内側に傾斜をつけ、一方に醤油の池ができるように工夫。醤油付けと取り分けた食事を置くスペースの2つの機能を共存させた。nendoは、ケーキを5つ、7つなど、均等に切り分けにくい時に使用する花びらをモチーフにしたテンプレート「FLOWER SCALE」を発表。食を通した交流が希薄になる現代において、「人と分け合う」気持ちを思い出させることを目指した。