森美術館(港区六本木6)は12月9日、2009年度に開催する展覧会の発表と、報道関係者を交えた意見交換会を兼ねた「MAM プレスアニュアル 2008」を開催した。同イベントは今回が初の試みとなる。
当日発表された企画展は3つ。4月からは、ウィーンの「ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団」のコレクションを紹介する「万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術コレクションより」(会期=2009年4月4日~7月5日)を開催。「リアリティーとは何か?」をテーマに、コレクションの中から特にインスタレーションを中心とした作品で構成する。出展予定作家は、カールステン・フラー、オラファー・エリアソンなど。
7月からは、建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンと共に北京オリンピックのスタジアム「鳥の巣」の設計に携わった中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイの個展「アイ・ウェイウェイ展」(会期=2009年7月25日~11月8日)、11月からは「医学と芸術」をテーマにした「身体という宇宙:科学と芸術が出会う場所-ウェルカム・コレクションを中心として」(会期=2009年11月28日~2010年3月7日)を開催し、ミケランジェロの素描や日本画の奇才・河鍋暁斎、フランシス・ベーコン、キキ・スミスなど古今東西の美術作品を交えてアプローチを行う。
森美術館は2003年10月18日に開館し、今年5周年を迎えた。現代アートに特化し、これまでに24の企画展(同時開催を含む)を開催。約700万人が来館した(東京シティビューとの共通入館者)。同館の今後の方向性について南條史生館長は「『現代性』と『国際性』を掲げていきたい。中でも『アジア』にフォーカスしていく」と述べ、「海外との対等な交流を目指したい」と話した。