サントリー美術館(港区赤坂9、TEL 03-3479-8600)で9月19日、「美(うるわ)しの和紙~天平の昔から未来へ~」展が始まる。
和紙は天平の昔より現代まで、文字や絵を表わす素材として長い時代重要な役割を担うとともに、日本人の暮らしの隅々にまで深く浸透して用いられてきた。やわらかな色合いと風合いでありながら、強さとしなやかさをたたえた和紙は多様な姿に加工され、世界中で利用されている。
展示は、「和紙の成り立ちと展開」「祈りの造形」「和紙の伝統を繋ぐ人々」「暮しを彩る和紙の世界」の4部構成で、和紙の発展をうながした写経をはじめ、紙衣(かみこ)や紙布(しふ)などの衣料、さらにびょうぶやふすま、障子、あんどん、ちょうちんなど約180点を公開する。日本人の豊かな造形力と美意識が感じられるとともに、和紙の持つ用途と美しさの調和をみながら日本の歴史、活動の足跡をたどることができる。
「和紙の歴史を語ることは日本の歴史を紹介することと同じ。日本の文化の発展とともに、身近な存在として、また神聖なものとして大切にされてきた和紙の美しさ、強さ、清らかさ、そして素材感にぜひ触れていただきたい」と金沢美術工芸大学名誉教授の柳橋眞さん。
開館時間は、水曜~土曜=10時~20時、月曜・日曜=10時~18時。火曜休館。9月20日~22日、10月11日、11月2日は20時まで開館。展示替えあり。入館料は一般1,300円ほか。11月3日まで。