六本木で国立能楽堂コレクション展-加賀前田家伝来・能装束11領も初公開

「小面 一面 江戸時代 17世紀 国立能楽堂蔵」 画像の無断転載禁止※展示替えあり

「小面 一面 江戸時代 17世紀 国立能楽堂蔵」 画像の無断転載禁止※展示替えあり

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 東京ミッドタウン・サントリー美術館(港区赤坂9、TEL 03-3479-8600)で現在、「開場25周年記念 国立能楽堂コレクション展『能の雅(エレガンス) 狂言の妙(エスプリ)』」が開催されている。

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 同展では、国立能楽堂が収集した能・狂言面、能・狂言装束、楽器、謡本、絵画、文献資料など180点を展示するほか、加賀・前田家伝来の能装束11領を同館のみで初公開する。

 展示作品の「百万絵巻 一巻(十六紙)」(室町時代16世紀、場面替あり)は、女曲舞(くせまい)の百万が見失った我子を探し求め、嵯峨清涼寺で再会するまでを表した「百万」を絵画化した作品。能を描いた絵巻の伝世品は少なく、貴重な作例となっている。

 そのほか、紅繻子地(べにしゅすじ)に霞を金箔、流水を銀箔ですり表し、大空にはばたく白崎と太藺の生い茂る水辺に遊ぶ白鷺、そして彩雲を刺しゅうで表した「紅地白鷺太藺模様縫箔 一領」(江戸時代 安政5年=7月5日まで)や、かれんな乙女の相を表した「小面 一面」(江戸時代17世紀=7月5日まで)も展示。夏季の衣料である帷子(かたびら)にモチーフとして用いられた「浅葱地芭蕉蝸牛模様肩衣 一領」(江戸時代18~19世紀=7月5日まで)も公開する。

 同美術館学芸員の丹羽理恵子さんは「日本の美意識の究極の姿を集約している能・狂言の世界を、この機会にぜひ体験いただければ」と話す。

 会期中、共立女子大学教授の長崎巌氏による「能装束の歴史と美意識」、国立能楽堂事業推進課調査資料係主任の門脇幸恵氏による「劇場と芸能資料-国立能楽堂の歴史とともに」などの能楽ミニレクチャーを予定する。

 開館時間は日曜・月曜=10時~18時、水曜~土曜=10時~20時(7月18日は20時まで)。火曜休館。入館料は一般1,300円ほか。7月25日まで。

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