麻布十番のギャラリー「TAKE NINAGAWA」(港区東麻布2、TEL 03-5571-5844)で現在、現代アーティスト笹本晃(あき)さんの個展「ストレンジ・アトラクターズ」が開催されている。
笹本さんはニューヨーク在住のパフォーマー、アーティスト。2008年に横浜トリエンナーレ、2010年にはホイットニー・ビエンナーレに出品し、海外で注目を集める。国内初の個展となる同展では、テーブルや筒、ドーナツ型のクッションなどが置かれた空間に天井からコップやビデオカメラをつるしたインスタレーションを展示。期間中5回、そのインスタレーションをフレームワークとしてパフォーマンスを行う。
数学理論をもとに計算されたパフォーマンスではギャラリーの狭い空間の中に観客が入り、笹本さんは参加者たちの間を縫うように進んでひとを動かしたり、笑いを織り交ぜながら直接語りかけたりすることで、観客との一体感を作っていく。
自身の作品について、笹本さんは「入口と出口がたくさんある作品。どこから入るかはコントロールできないが、どこから入っても作品のさまざまな地点を旅し、出ていくことになる」と語る。
「パフォーマンス/インスタレーションと表現しているが、どちらかが主というわけではない。パフォーマンスによって説明されたほうが入りやすい人もいるし、インスタレーションを観て静かに受け止めたい人もいる。特にターゲットがいるわけでもないし、正しい解釈を期待しているわけでもない。けれど、数学でもドーナツでも何かが解釈の取っ掛かりになって作品内で逢えれば。」とも。
開館時間は火曜~土曜の11時~19時(パフォーマンスは1月16日・29日の16時~)。入館無料。1月29日まで。