国立新美術館(港区六本木7)で9月28日、「モダン・アート,アメリカン-珠玉のフィリップス・コレクション-」が始まった。主催は、国立新美術館、フィリップス・コレクション、読売新聞社。
エドワード・ブルース 《パワー》 1933年頃 © The Phillips Collection, Washington, D.C.(関連画像)
フィリップス・コレクションは、1921年に開館したアメリカ初の近代美術館。創設者のダンカン・フィリップスは、大学在学中に美術への関心を深め、その後は美術の評論活動をしながら、妻のマージョリーと共に美術作品を集めた。相次いで亡くなった父と兄を追悼しようと、1920年にフィリップス記念ギャラリーを設立し、翌年、一般公開したのがコレクションの始まり。237点の絵画から始まった収蔵作品は、現在では3000点近くに及ぶという。
同展では、そのコレクションからエドワード・ホッパーやジョージア・オキーフなど、78作家・110作品を展示。19世紀後半から戦後のアメリカ絵画隆盛期に至るまで、「ロマン主義とリアリズム」「印象派」「キュビスムの遺産」「抽象表現主義」など10章に分けて紹介する。
読売新聞東京本社・文化事業部の原口慎二さんは「開催していそうで実はそれほど行われていないアメリカ美術の展覧会。19世紀後半、ヨーロッパ調の作品が多かったアメリカ美術が、20世紀に入って前衛的な美術に触れながら、固有の風土と歴史の中で次第にアメリカらしさを確立していく様子をたどることができる。多彩な作品の魅力とともに、アメリカの歴史の流れを体感してもらえれば」と話す。
開催時間は10時~18時(金曜は20時まで)。入場料は、大人=1,500円、大学生=1,200円、高校生=800円。火曜休館。12月12日まで。