麻布十番に12月10日、「中國菜 老四川 飄香(ピャオシャン)」(港区麻布十番1、TEL 03-6426-5664)がオープンした。
店舗面積は50坪、席数は54席。中国の伝統的家屋建築である「四合院」をイメージし、地下でありながら中央には天窓から太陽光が降り注ぐ中庭を設置。四方に広がる部屋の壁面には山水画が描かれ、中国から取り寄せた調度品を配置するなど、オーナーシェフ・井桁良樹さんが修業で訪れた思い出の街のイメージでまとめた。
代々木上原で7年8カ月営業していた同店。常連客も多くついていたが、調理場が狭く、料理人の教育のために移転を決意。「麻布十番は競合店が多く難しいが、本物だけが残る場所。ここで通用しなければ未来が見えてこないのではと思った」と井桁さん。
四川省は経済の発展と共に食も変化しているというが、井桁さんが目指すのは、「昔から四川に根付いている『老四川』料理」。中国で2年間修業したときは、体を壊して入院するほど「朝から晩まで食べ」、その中で、「日本人が感動する味を見つけた」という。マーボー豆腐やチンジャオロースーなど、日本でも知られる四川料理ではなく、本場の多様な料理を提供する。
「香り」を重視する香辛料使いの料理を特徴とするが、辛さだけではなく、塩味のあっさりした味付けや、甘みを感じる料理など、知られていないものがたくさんあるという。スペシャリテは「山城口水鶏(四川名物よだれ鶏)」(1,600円)。コクのある地鶏をゆで上げ、麻辣ソースで調理する。老四川料理を知ってもらうために、「コース料理(8,000円~)を食べてほしい」とし、約12種類の小料理を味の流れを楽しめるよう組んでいる。
コースに組み込まれた「季節野菜の極上スープ蒸し」は、スープに鶏と豚のミンチを加えてアクを吸わせ、裏ごしをすることでうま味だけが残るというクリアなスープ。単品メニューは、冷菜(700円~)、海鮮(2,000円~)、肉料理(1,800円~)、野菜料理(1,600円~)、魚料理(2,500円~)など。ランチは、セット(1,800円~)とコース(4,200円~)を用意する。
井桁さんは「化学調味料は使わず、時間と手間をかけて調理している。『四川料理といえばピャオシャン』という日本を代表する店になりたい」と意気込む。
営業時間は、ランチ=11時30分~14時、ディナー=18時~21時30分(以上、ラストオーダー)。月曜定休。