シネマート六本木(港区六本木3)で2月28日・3月1日、昨年の東京国際映画祭の出品作品から5作品を上映する「第27回東京国際映画祭アンコール上映会」が開催される。
1985(昭和60)年にスタートした日本最大級の映画祭である同祭は、国際映画製作者連盟が「コンペティティブ長編映画祭」として公認する13の映画祭の一つ。昨年10月23日~31日に開催された第27回では、156作品を上映。国内外から多数の監督、出演者など多数のゲストが出演した。
アンコール上映は、同映画祭で好評だったものの一般公開されていない5作品を選定し、2日間に分けて上映するというもの。上映する作品は28日=「破裂するドリアンの河の記憶」(11時~)、 「ナバット」(14時~)、「メルボルン」(16時40分~)、1日=「ゼロ地帯の子どもたち」(12時~)、「ザ・レッスン/授業の代償」(14時30分~)。
ニマ・ジャウィディ監督の「メルボルン」は引っ越しの準備中に異常事態に見舞われてしまう若い夫婦を描いたイラン映画で、「観客の満足度が最も高かった作品の1本」という。上映後には、同映画祭プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦さんと映画解説者の中井圭さんによるトークセッションを行う。
アミールフセイン・アシュガリ監督の「ゼロ地帯の子どもたち」は、国境線沿いの立ち入り禁止区域に放置された廃船に寝泊まりする少年を描いたイラン映画で、同映画祭アジアの未来部門作品賞を受けた。クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ両監督の「ザ・レッスン/授業の代償」は、小学校の教室で生徒のお金が盗まれるという事件から担任の女教師の暮らしが激変する様子を描いたブルガリア映画。上映後には、矢田部さんと同映画祭でコンペティション部門最優秀女優賞と観客賞を受けた「紙の月」の吉田大八監督によるトークセッションを行う。
吉田監督は「普段なら自分の偏った好みで通り過ぎてしまうかもしれない映画に出合えるのも、映画祭ならではの楽しみ。『ザ・レッスン』は『紙の月』とモチーフが似ていて、矢田部さんに『意地悪したんでしょう』と言った」と笑う。
観覧料は1作品=1,000円。前売り券は同映画館窓口で発売中。