六本木ヒルズアリーナ(港区六本木6)で9月1日、約500人が参加して震災訓練が行われた。
「逃げ出す街から逃げ込める街へ」をコンセプトに、これまで近隣住人を招いた防災訓練や震災対策レクチャーを実施してきた同施設。毎年1月と9月に実施してきたが、一昨年、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止し、3年ぶりの開催となった。
同施設は首都直下地震および長周期地震動に備えた設計で建てられているという。同施設の地下には、六本木で使う電力のほとんどをまかなうガスエンジン発電機があり、2017(平成29)年のリニューアル工事によって発電効率の良さと安全性の高さを実現した。
震災訓練には森ビル社員らが参加し、人体模型を使った心肺蘇生・AED訓練のほか、火災時煙体験、消火活動訓練を行った。同施設勤務の20代男性は「火災時の状況を実際に体験することで、煙によって視界を奪われる怖さなどを知ることができた」と話していた。
同災害対策室の細田隆さんは「単に知識を持っているのと、実際に訓練を経験しているのとでは、発災時の初動に大きな差が出る。今回の体験を伴う訓練を通して、自助および共助のスキルの確認や維持・向上、防災知識の習得ができたと思う」と話す。「いつ起こるか分からない災害に対して、引き続き備えを進めていくことで、安全安心な都市づくりに貢献していければ」とも。