国立新美術館(港区六本木7)で2月3日、新しい表現技法を用いたメディア芸術作品の中から受賞作品などを紹介する「第13回文化庁メディア芸術祭」が始まる。主催は文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁、国立新美術館、CG-ARTS協会)。
同芸術祭は、テクノロジーやメディアの進化とともに変わりゆくアート、エンターテインメント、アニメ、映像、ゲーム、ウェブ、漫画などに世界54カ国の国と地域から2,592作品の応募があり、その中から選ばれた受賞作品と審査委員会推薦作品の約180作品を紹介する。
主要4部門の大賞作品は、アート部門=成長する植物をレーザーで測定し、リアルタイムに複製していく動的インスタレーション「growth modeling device」、エンターテインメント部門=人と人とのつながる気持ちを表現したミュージックビデオ「日々の音色」、アニメーション部門=日本の片田舎と近未来の仮想空間を舞台に人間が最も大切にすべきものは何かを問いかける劇場公開作品「サマーウォーズ」、マンガ部門=11世紀初頭の北欧を舞台に繰り広げられる海賊たちを描いた歴史マンガ「ヴィンランド・サガ」。
1997年から始まった同芸術祭は、回数を重ねるごとに海外からの応募数も増加。海外では「Japan Media Festival」として知られ、アジアを代表するメディア芸術の祭典となっている。同芸術祭実行委員会の広報担当者は「実際に触れて体験できる作品を多く展示するほか、受賞者が出演するシンポジウムや国内外のアーティストが自身の作品について語るプレゼンテーションなどを予定。『メディア芸術とは何か?』を体感できるライブなフェスティバルを目指す」と話す。
期間中、シンポジウムや上映会などを行うほか、「学生CGコンテスト受賞作品展」、表現のための新技術を紹介する「先端技術ショーケース」、海外メディア芸術の祭典を紹介する「Media Art in the World」、ミュージックビデオを学生が共同制作するワークショップ「学生MVコラボレーション」、東京都現代美術館で開催する「サイバーアーツジャパン アルスエレクトロニカの30年」などのさまざまなイベントを予定している。
開催時間は10時~18時(金曜は20時まで、2月9日休館)。入場無料。今月14日まで。