3月11日午後に起きた東日本大震災では都心でも揺れが大きく、犠牲者も出た。東京では交通機関がまひし、帰宅困難者が問題となった。そうした中、帰宅困難者のために一部の店や事務所が開放し、帰宅困難者の助けになった。
その一つは麻布十番にあるデザイン会社「ドリームデザイン」(港区麻布十番1)。CEOの石川淳哉さんがツイッターで開放することを告知し、事務所に帰宅困難者を受け入れた。
同様に六本木の「豚組 しゃぶ庵」(六本木7)も店を開放。もともとツイッターでの販促に積極的に取り組んでいた利点を生かし、ツイッターを通じて多くの人に情報を伝えた。当日は、場所だけでなくカレーも無償で提供したという。
同店を運営するグレイス(六本木5)の國吉貴之さんは「避難場所としてご利用いただいた方は20人ほど。災害時には互助の気持ちで行動することが重要。実際に今回、ミッドタウンのコンシェルジュの方がツイートをご覧になり、ツイッターを見ていない方にも案内をしてくれた。飲食店は公共性の高い事業なので、地域にいらっしゃる皆さんのよりどころとなれるよう考えていきたい」と話す。
六本木ヒルズも建物内に椅子を並べて一時滞在場所として提供。他にも「探偵バー」(六本木6)、「六本木イマカツ」(六本木4)、「BALI RELAX 24」(六本木7)なども店を開放した。