サントリー美術館(港区赤坂9)で11月21日、「森と湖の国 フィンランド・デザイン」展が始まった。
写真=「ヤマシギ」(1953年、ヌータヤルヴィ社製/フィンランド国立ガラス美術館蔵/撮影:ティモ・シルヤネン)
機能性を重視しながら美しさを兼ねそろえたフィンランドのガラスや陶磁器、家具など。中でも「timeless design product(時代を超えた製品)」をコンセプトに作られてきた生活用品は、「生活の中の美」として、人々の暮らしに洗練されたデザイン性をもたらした。同展では18世紀後半から現代に至るガラス作品を中心にフィンランド・デザインの魅力を伝える。
会場を5つのスペースに分け、時代を追って構成。フィンランドに最初のガラス工房ができた1681年からの「プロローグ」では、ボトルやボウルなど、極めてシンプルで機能的に作られた日用品をはじめとして、近隣諸国やローロッパの影響を受けて作られた製品など、フィンランド・デザインの土台が築き上げられていく様子を作品を通して紹介。
「第一章」(1930年~)では、アルヴァル&アイノ・アールト夫妻を中心とした躍進期の作品、「第二章」(1950年~)では、第二次世界大戦後に目覚ましい活躍を遂げたカイ・フランク、タピオ・ヴィルッカラなど企業デザイナーの作品を中心とした黄金時代の作品、「第三章」(1960年~)では、日用品としての美しさよりもグラス・アートへという世界的な動きに連動した転換期の作品、「第四章」では、現在もなお「生活の中の美」を提案し続ける「今」の作品を紹介する。
開館時間は10時~18時(金曜・土曜および11月22日、12月23日、2013年1月13日は20時まで、12月28日・29日は18時まで)。火曜、年末年始(12月30日~来年1月1日)休館。入場料は、一般=1,300円、大学・高校生=1,000円、中学生以下無料。1月20日まで。