東京タワー（港区芝公園4、TEL 03-3433-5111）大展望台で2月3日、増上寺の僧侶による「節分追儺（ついな）式」と「豆まき」が行われた。

鬼に扮（ふん）して恵方巻きを販売する久本さん

　1960（昭和35）年に始まり、今年で54回目を迎える同行事。立春の前日、旧暦で新年を迎える2月3日、「季節を分ける」ことを意味する「節分」に毎年実施されている。

　今年は自民党参議院議員の片山さつきさんも個人で参加。増上寺から招いた僧侶が、東京タワー関係者や紋付きはかま姿のノッポンなどが参列する中、お経を唱（とな）え、昨年の厄難をはらい清めた。

　「誰にでも心の中に3人の鬼が住んでいる。あれも欲しい、これも欲しいという欲望の鬼、怒り、腹を立てる鬼、愚痴をこぼす鬼。『魔（ま）』が滅（め）するよう願って『豆（まめ）』をまく」と僧侶が説法を説き、無病息災や開運招福を願って菓子や福豆をばらまくと、来場者約500人が群がった。

　豆まき後は、今年で5回目を迎える「恵方巻きの丸かぶり」を実施。今年の恵方である品川・羽田空港方面を臨む「南南東」を向き、恵方巻きを黙々と丸かぶりする来場者でにぎわった。

　今年は節分が日曜に当たったため、多くの来場者が丸かぶりにチャレンジ。会場内に設置された特設販売コーナーでは恵方巻きが約1500本（約50万円）売れ、昨年の約900本と比べ、1.6倍の売り上げを記録した。鬼のコスチュームで恵方巻きを販売した久本さんは、「その場で購入し、美しい景色を前に食べられる場所というのは少ないのでは」と話し、記念写真のリクエストに応えるなど、忙しく立ち回った。