国立新美術館(港区六本木7)で3月20日、20世紀半ばにカリフォルニアで展開された「モダン・デザイン」を紹介する「カリフォルニア・デザイン 1930-1965 -モダン・リヴィングの起源-」展が始まった。
同展は2011年にロサンゼルス・カウンティ美術館で企画・開催されたものをアレンジしたもので、日本では初めての開催。「ミッドセンチュリーと呼ばれたカリフォルニアのモダンデザインは憧れの生活のシンボルとして世界に広まったが、これまで十分に紹介されてこなかった。それを約250点の作品と22本の映像で紹介する展覧会」と同美術館キュレーターの本橋弥生さんは説明する。
展示はほぼ年代順に4部に分け、第1章「カリフォルニア・モダンの誕生」では第二次世界大戦前のヨーロッパからアメリカに持ち込まれ独自の発展を始めたデザインを紹介。第2章「カリフォルニア・モダンの形成」では戦時中に軍事用として開発された素材や技術が日用品へと転用される様子を紹介。第3章「カリフォルニア・モダンの生活」では、戦後の経済発展の中でカリフォルニアの気候や環境が生んだ独自の住宅やファッションを紹介。第4章「カリフォルニア・モダンの普及」では、カリフォルニアデザインが「グッド・ライフ」の典型としてハリウッド映画などを通して世界へと広まっていく様子を紹介する。
同展を企画したロサンゼルス・カウンティ美術館のキュレーター、ウェンディ・カプランさんは「カリフォルニアデザインの特徴はデザインにヒエラルキーがないこと。大量生産でもハンドメードでもスモールバッチでも同じ価値を持つ。そしてカリフォルニアデザインは消費を礼賛する限りない楽観主義を提示するもの。1960年代のカウンターカルチャーの誕生によって批判されるようになったが、それでその成果が損なわれるわけではない」と話す。
開催時間は10時~18時(金曜は20時まで、3月23日は22時まで)。火曜休館。観覧料は一般=1,000円など(同23日は無料)。6月3日まで。