増上寺(港区芝公園)で大みそか12月31日、21回目を迎える恒例のカウントダウンが開催される。
通常のカウントダウンと違い、年越しの瞬間に拝観者がそれぞれ願い事を書いた用紙を張り付けた環境風船約3,000個を大梵鐘(ぼんしょう)の音とともに夜空へと放ち、行く年の自分を省み、来る年の平和と幸福を祈る。
除夜の鐘は、年越しに人間の煩悩の数である108回突いて煩悩を消し去り、清らかな心で新しい年を迎えられるように祈る行事。増上寺の鐘は1回に4人でしか突くことができないため、計432人しか除夜の鐘に参加できないが、カウントダウンには参加者全員が、除夜の鐘を突いているのと同じ意味が込められているという。
増上寺は、浄土宗の七大本山のひとつ。江戸時代の初め源誉存応(げんよぞんのう)が徳川家康の帰依を受け、大伽藍(がらん)が造営された。以後、徳川家の菩提寺として、また関東十八 檀林(だんりん)の筆頭として興隆した。戦災で徳川家の将軍やその一族の御廟(ごびょう)は焼失。焼失を逃れた三門(さんもん)・経蔵(きょうぞう)・御成門(おなりもん)などを含む境内は、1974年完成の大本堂とともに近代的に整備された。
カウントダウンのイベントでは現在、ボランティアのスタッフを募集している。内容は、約3,000個の環境風船を膨らませる作業、お願い事用紙の配布、環境風船の配布など。資格は18歳以上で、定員は50人。詳しくは、増上寺ホームページで確認できる。