国立新美術館(港区六本木7)で5月26日、パリのオルセー美術館から「モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、トゥールーズ=ロートレック、 スーラ、ルソー、ボナール、ヴュイヤール」などの絵画を一堂に紹介する巡回展「オルセー美術館展2010―ポスト印象派」展が始まった。
開館しておよそ25年がたったオルセー美術館は、昨年秋から今年秋まで改装工事を実施しており、これを機に同展開催が実現した。オーストラリアのキャンベラ、東京、サンフランシスコで開催される。
同展では、モネ5点、セザンヌ8点、ゴッホ7点、ゴーギャン9点、ルソー2点をはじめとする印象派を起点にした、19世紀終わりから20世紀初めにかけての絵画115点を紹介。モネ「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」、セザンヌ「台所のテーブル『篭のある静物』」、ゴッホの「自画像」、ルソーの「蛇使いの女」をはじめとする作品60点は初来日となる。
会場では、モネ、ピサロ、ドガ、シスレーらの作品を通じて印象派の一つの到達点を紹介する第1章「1886年―最後の印象派」、ピサロの推薦を受け、独自の点描技法を考案したスーラとシニャックの2人をたどる第2章「スーラと新印象主義」、「堅固で永続的な」芸術を求め続け、キュビスムや抽象絵画など、後世に多大な影響を与えたとされる第3章「セザンヌとセザンヌ主義」、モンマルトルのにぎにぎしい享楽の世界と、そこにたくましく生きる踊り子、娼婦、芸人などを素早いスケッチ風の独自のスタイルで現した第4章「アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック」など10章に分けて展示を行う。
オルセー美術館館長のギ・コジュヴァルさんは「今回の展覧会は、100点以上の傑作を一堂に集めたもので、これらの作品が、今回の巡回展終了後に このようなまとまった形で貸し出されることはおそらく二度とないだろう」と話す。
期間中、同館3階講堂で同展監修・オルセー美術館国際展部門長のステファン・ゲガンさんによる記念講演会(5月27日14時~15時30分)を予定。定員は各日とも260人(先着順)。入場は無料だが同展の観覧券が必要。
開館時間は10時~18時(金曜は20時まで)。火曜休館。入場料は一般1,500円ほか。8月16日まで。